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インタビュー坂田 智明さん

Q
坂田さんといえば「土づくりの達人」。
ここまで土壌づくりに情熱を燃やす農家さんは見たことがありません。

かれこれ15年間、理想の土を追い求めていますから。野菜でも花でも、土というのは作物を育てる上で最も重要。こだわるのは当然です。でも、土づくり自体は難しいことじゃないんですよ。例えるなら、人間の身体と一緒。よく「健康のために1日30品目食べましょう!」とか言うじゃないですか。それと同じで、土にも必要な栄養素があって、それをしっかり与えてあげれば自然と良い土に育っていきます。良い土で育てた作物はとろけない(腐らない)んです。作物というのは最終的には枯れて、自然界に戻っていくのが当たり前ですよね。でも、今って枯れる前にとろけちゃう。これはとんでもない話で、原因は、悪い土で育てているから。つまり、作物がすぐに病気になる状態で、元気がない証拠なんですよ。

Q
坂田さんにとって「良い土」とは
どのようなものですか?

理想を言えば、人の手が一切加わっていない、自然のままの土ですね。古来より地球に存在しているままの土の状態に近づけてあげれば、どんな作物でも元気に、おいしく育ってくれます。うちの畑を見てみてください。土がすごくフカフカしているでしょ? これが自然のままの土に近い状態なんです。反対に、悪い土というのはガチガチに硬かったりします。残念なことですが、私の知る限り、うち以外でまともな畑というのはほとんどありませんね。当然、そんな畑で育つ野菜も良い野菜とは言えません。

Q
坂田さんの九条ネギの特徴は、濃厚な甘さと
強烈な風味。辛みも確かにあるのですが、
後味がスッキリしているので気になりません。
あと、えぐみが全くないところも最初は
信じられませんでした。

私が考える「おいしい九条ネギの条件」は、甘み・辛み・香りの3つ。このどれかひとつが欠けてもダメですし、どれかひとつが主張してもダメ。甘み・辛み・香りのバランスが崩れることで、宮本さんがおっしゃったようなえぐみが出てくるんです。多くの方が、九条ネギと言うと「京都」を思い浮かべますよね。でも、私に言わせれば、京都産なんて食べれたものじゃありません(笑)。一度うちの九条ネギを食べていただければ、その違いをわかっていただけるはずです。私のネギは“主役になれるネギ”。それだけこだわってつくっていますし、まだまだ研究や勉強を続けていますから、その上をいくのは難しいと思いますよ。ネギに関しては絶対に負けない自信がありますね。

Q
力強いお言葉です。実際、私もそう思います。坂田さんのネギ以上のものには
そうそう出合えないですし、一度味を知ってしまうと他のネギでは物足りなくて(笑)。

ありがとうございます。これからはもっと「九条ネギと言えば浜松産」「九条ネギと言えば坂田さん」と認知されるよう努力していきたいですね。そういえば先日、近所のラーメン屋の店主がいらっしゃいまして「ネギラーメンに使いたいから」って定期購入してくれるようになりました。話を聞くと、以前使っていたネギに比べて、香りが良くて、クセがなく、ラーメン自体の味をグンと引き立ててくれるそうです。また、日持ちするというのも喜んでいました。このように、うちの九条ネギを多くの方に召し上がっていただく環境を増やしていきたいですね。最後に、私たちからひとつレシピをご紹介します。これは従業員が考案してくれたのですが「ネギいなり」というレシピです。とても簡単で、油揚げにネギを詰め込んだら、けずり節とチーズをのせてオーブンで焼くだけ。肉厚の九条ねぎと油揚げの香ばしさがたまらないんですよ。

坂田 智明

地元スーパーの店長を経て、15年前から農業の世界へ。既成概念にとらわれず、真正面から野菜づくりと向き合った結果、「一にも二にも土壌づくり」との信念に行き着いた。以後は、土づくりの研究に没頭。片っ端から文献を読みあさったり、勉強会などに参加し、良いと感じたものはすぐに自らの畑でテストを行うなど、試行錯誤を繰り返していった。最近になってやっと「ある程度、理想に近い」と思えるところまで到達したそうだ。